2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

三回目のデート(その一)

今度は彰太の誕生日祝いにするとのことだったが、彰太はあくまで春子さんを中心にしたかった。貴重な春子さんの時間を費やすデートだから、春子さんが喜ぶようなところに行って、楽しく食事をしたい。先ずは、春子さんの気に入るようなお店と、いうことで「…

二回目のデート(その二)

「今度は桜木町からロープウェイだ」と、意気込んだ彰太だったが、駅頭には「強風のため本日は中止」との看板がかかっていた。彰太の顔が曇った。横浜の地理に詳しくない彰太には、替わりのデート・コースが直ぐには思い浮かばないのだ。どうしようかと優柔…

二回目のデート(その一)

春子さんの誕生日は二月の上旬、彰太は下旬だったので、先ずは春子さんの誕生日のお祝い。横浜の港に面した日本料理店だ。もちろん彰太は、例によって早めに桜木町駅についてみなとみらい駅までの混雑具合や、お店までの歩き方、かかる時間をチェックしてデ…

LINEで交流(カウンセリングか?)

春子さんの反応は彰太の期待したほどではなかった。東京の人からすれば、名古屋も西にあるから何となく関西に見えるかもしれないが、名古屋は大阪弁でも京都弁でもない。関西文化圏ではないのだ。もちろん、東京の文化圏でもない。だから、名古屋人からすれ…

LINEで交流(大阪の漫才界はゲマインシャフト?)

彰太は東京育ちだが、横浜に引っ越すまでの10年は、大阪や福岡に住んでいた。彰太にとってこの西日本での生活はとても楽しくて有意義で、「東京に住んでいるより、大阪や福岡の方が遥かに人生を謳歌できる」と感じていた。特に彰太は、高校生の頃から京都に…

LINEで交流(春子さんの感想)

前に他のマッチングアプリで会った人には、呆れたわ。国立大学を出ていて、ちゃんとお仕事している人だったから初めは話が弾んだんだけど、だんだん本性を現してきて結局、体目当てっていう感じだったの。ひどいわよね。それから、また色々と他のアプリを探…

LINEで交流(カウンセラーか?)

春子さんの解釈は、彰太が全く予期しないものだった。 「お兄さんは、弟をうらやんでいたのね。弟は、兄弟の立場なんて何も考えないで天真爛漫に生きてきたけど、お兄さんは長男としての自覚があったから勉強も頑張ってたのね。それで成績は自分の方が優秀だ…